Stand by Traft by mie_swagger


はじめましての方は初めまして、みいと申します。
普段は京都大阪でカジュアルにマジックをしております。
実績はGP神戸2017で11-4してプロポイントを得たことぐらいしかないザコです。
今回は年をまたぐ前に自分の考えをしっかりとまとめたいと考え今使っている「トリコトラフト」(別称いろいろあり)について触れようと思いました。
つたない文章ですがどうか目を通してくださると幸いです。


1.「トリコトラフト」とは

「トリコトラフト」はモダンを少しかじっていたらわかるように、トリコカラーでトラフトが入っているデッキである。「トリコ」はマジックでは青赤白を表しており、ジェスカイとも呼ばれる。ジェスカイと呼ばれる前から「トリコトラフト」が存在したため、「ジェスカイトラフト」と呼ぶ人は少ない。しかし、海外記事では[Jeskai Traft]と記述することも多い。
「トラフト」はこのデッキのキーカードの「聖トラフトの霊」のことである。3マナ2/2呪禁までは普通であるが、さらに攻撃時に4/4飛行の天使を出して同時殴ってくるというマナコストにあるまじきクロックを持った生物だ。
つまりデッキ名のみをかいつまんでデッキを想像するならば「聖トラフトの霊を主軸に置いた青赤白のデッキ」となる。一昔前までは3ターン目トラフトからの大量の除去と打ち消しで道を開けて3回パンチで終わりというのがメインの勝ち筋であった。
しかし現実は非常である。現在の「トリコトラフト」のベースとなっているのはGP神戸2017にてベスト8に入賞した玉田氏のジェスカイコントロール(トラフト抜き)である。レシピは各自で検索して確認してほしいが、ここで大事になってくるのが4枚入っている呪文捕らえであり、スタンダードのBFZ-KLD期の青白フラッシュのようなインスタントタイミングの動きをかつてのトリコトラフトよりも重視している。

2.金魚のレシピを見てみる
ではそれをふまえて2017/12/22(執筆日時)の大手サイトGoldFishのトリコトラフトのレシピを記載する。

https://www.mtggoldfish.com/archetype/modern-jeskai-geist-40120#paper

Main deck 60
4 瞬唱の魔道士
3 聖トラフトの霊
4 呪文捕らえ
4 稲妻
4 流刑への道
4 血清の幻視
2 呪文嵌め
3 稲妻のらせん
2 論理の結び目
2 電解
4 謎めいた命令
4 天界の列柱
4 溢れかえる岸辺
2 神聖なる泉
1 聖なる鋳造所
4 沸騰する小湖
2 蒸気孔
2 硫黄の滝
3 島
1 山
1 平地


Sideboard 15
1 仕組まれた爆薬
2 払拭
1 削剥
1 天界の粛清
2 軽蔑的な一撃
1 否認
1イゼットの静電術師
1 コジレックの帰還
1ヴェンディリオン三人衆
1思考を築くもの、ジェイス
2ピア・ナラーとキラン・ナラー
1 至高の評決

最近の「トリコトラフト」の傾向はメインアタッカーだとされていた「聖トラフトの霊」が3枚になっていることがあげられる。これは現代モダンの生物が大きく、容易に除去ができなくなったり、トラフトを展開した隙に死ぬパターンが増えたりしたからだと筆者は考えている。

 血清の幻視と選択の採用は未だに分かれているが、筆者は血清の幻視の方がカードパワーは勝っており、ソーサリータイミングに動いても問題ないことも多いため、そちらを推奨している。だが、どちらも採用することも考えられるし、後手のカウンターを構えながらなかったら行動できるというメリットもあるので、一概にも言えない。

 論理の結び目は玉田氏が使い始めて以来流行しているカウンターであり、序盤は魔力のほつれ、後半はX=5以上も視野に入れられる。マナリークほど後半に腐らなく、前半もフェッチランドで探査を供給できるため比較的使いやすい部類である。

 削剥はここ最近のトレンドである。摩耗損耗が入っていたスペースだが、脅威となるエンチャントがあまりないことと、アーティファクトとクリーチャーの両方を触れる器用さが買われてこちらが使われることが増えつつある。削剥のほうがいいパターンは「人間」、「マーフォーク」を筆頭に「霊気の薬瓶」デッキ(墓堀りの檻なども割れるのがいい)、「エルドラージトロン」(作り変えるものや組み合わせることで難題の予見者を筆頭に高マナ域を倒せる)、クリーチャーデッキ全般に追加の除去として入れることも可能。摩耗損耗がいいパターンは「月」デッキ、「呪禁オーラ」。

 軽蔑的な一撃は環境の変化によって掘り起こされたカードである。マナコスト4以上は「ストーム」、「ヴァラクート」、「トロン」などによく効く。似たような立ち位置にある儀礼的拒否とは環境によって使い分けるべきであろう。儀礼的拒否がいいパターンは「エルドラージ」、「親和」、「ランタンコントロール」である。
 ほかにもピア・ナラーとキラン・ナラーが増えたなど言いたいことがあるが割愛させてもらおう。

3.確定枠について
環境の変化によって生まれ変わった「トリコトラフト」の姿の説明はこんなところでいいだろう。ここからはデッキを組む上での骨組みについて書きたい。
そもそも骨組みとは何ぞやと思う人も多いと思うが、デッキには生物と同じように骨や肉があると筆者は考えている。骨の部分はいわゆる抜いたら回らなくなる核となる部分のことである。対照的に肉は骨に付随するものであり、ある程度形になっていればそれでよい。
骨と肉をなんとなく理解したところで「トリコトラフト」を解剖してみる。


Creature
骨11
4 瞬唱の魔道士
3 聖トラフトの霊
4 呪文捕らえ

Sorcery
骨3
3 血清の幻視(または選択instant)

Instant
骨17
4 稲妻
4 流刑への道
1 呪文嵌め
3 稲妻のらせん
2論理の結び目
1 電解
2 謎めいた命令

Lands
骨23-24(記載は22)
3 天界の列柱
4 溢れかえる岸辺
2 神聖なる泉
1 聖なる鋳造所
4 沸騰する小湖
2 蒸気孔
2 硫黄の滝
2 島
1 山
1 平地

正直人それぞれ


Free
6

Sideboard
骨7
1 仕組まれた爆薬
1 払拭
1 削剥(摩耗+損耗)
2 軽蔑的な一撃
1 イゼットの静電術師
1ヴェンディリオン三人衆

Free8

基本的には上記の中で調整すればそれなりに回る「トリコトラフト」になるのではないかと筆者は思う。

 クリーチャー枠の定番は呪文捕らえと瞬唱の魔道士が4枚ずつ、聖トラフトの霊が3枚。聖トラフトの霊が控えめなのは伝説ルールでダブりが痛いからだけではなく、マッチごとに強弱が激しいからでもある。トロンやヴァラクートなどこちらから攻めないといけないときはとても頼りになるクリーチャーだが、自分より早い人間やストーム、親和などこちらが守らないといけないマッチでは出す暇がないことがある。
その際はサイドアウトしてほかの有用なカードを突っ込む方がいいでしょう、「トリコトラフト」という名前に惑わされないことも大事である。
 
ソーサリーは1マナドローの血清の幻視以外は取りたくない。というより、呪文捕らえや瞬唱の魔道士を構えていたいのに2マナ以上の行動をソーサリータイミングでとるのはなるべく避けたい。環境の変化や新たなカードが出た際に改めて検討が必要な項目でもあることは否めない。
 
逆にインスタント呪文はトリコカラーに強力なものが揃っているため、選択する価値が高い。稲妻、流刑への道、論理の結び目などデッキの無理がない範囲で採用していきたい。だが、論理の結び目は墓地を食うし、謎めいた命令は4マナのカードなため、高速デッキに抱えすぎて腐る心配もあるため、筆者の確定枠の中では枚数を減らしている。もちろん好きな枚数入れてもよい。呪文嵌めと電解を1枚ずつ取っているが、これらは環境に左右されやすいものであるため2枚目以上の採用は勝率が揺らぎやすい、自由枠から採用するのが良いと思われる。
 
土地は23-24がおそらく適正である。天界の列柱の枚数は4枚であることが多いが、筆者は序盤の機動力重視で尖塔断の運河を気に入っており、天界の列柱3枚の土地全体は24枚の構成で2017年12月下旬現在運用している。困ったことは特になく、赤マナが出やすいのが気に入っている。詳細は別に記載しようと思う。
 
サイドボードは今の環境に合わせてチョイスしているため、あまりあてにできない。しかし、モダンを定義するコンボが存在する限りほとんどの場合手札に干渉する手段としてヴェンディリオン三人衆の力を借りることになるだろう。払拭はこのデッキが環境に存在するならばミラーを制するのに大幅に貢献するし、各種コンボや青いフェアデッキに有用なのでほぼ必須といっていいだろう。
肝心の組み替えられる場所に何をぶち込むかは次の章で書いていきたい。

4.自由枠、クリーチャー編

本項目では自由枠に入りうるクリーチャー群の紹介をする。
 
・ヴェンディリオン三人衆
サイドボードにも書いた優良クリーチャー。呪文捕らえや瞬唱の魔道士と同様に構える戦略がデッキとかみ合っている。しかし、それ以上にないメリットはサイドからしか対応できなかったマッチアップを、手札を抜く効果で改善できる可能性が大いにあることである。特に活躍するのは青いデッキ(特に同型など)、コンボデッキ、「トリコトラフト」の地上が止まりやすい相手など。もともとサイドインすることが多いだけにサイドアウトすることも少ないため、上記の基本の型である443構成で物足りない場合は1-2枚とることをお勧めできる。
忘れてはならないことは自分の手札が弱い場合、EtB効果の対象を私と言って手札の不要牌をデッキに戻すテクニック。

・修復の天使
 4マナ3/4という固いボディに飛行瞬足がやはり「トリコトラフト」の戦略とかみ合う。稲妻が効かないうえに打点が高いのが偉い。4マナという性質上謎めいた命令と枚数を調整しあう形になるため、枚数は2-2ぐらいになるだろう。また謎めいた命令を警戒しているところに不意に現れるので生物を返り討ちにしやすい。活躍するマッチアップはやはり飛行が大事なマッチアップと、小粒な生物が並ぶ人間やアブザンカンパニーのようなデッキ。

・雷口のヘルカイト
 マイナーだけどお勧めなカード。飛行速攻5点は最後の詰めの段階で非常に心強く、飛行クリーチャーに1点をばら撒いてタップさせる能力も聖トラフトの霊がクリーチャーの壁でもじもじしているのを助けることができる場合もある。特に有効なのが未練ある魂に対するマッチアップで、聖トラフトの霊が機能不全に陥りやすいところを一掃してくれるため、その地域にそういうデッキを使う人が多いならお守りに1枚採用してもいいかもしれない。

・鎖鳴らし
 筆者が試したことのないカードだが、紹介はしておく。このカードは11月以降に少しずつ採用がされるようになってきたカードで、本体が2マナと軽いうえに2/1飛行瞬足+メリット効果2つとコストパフォーマンスが良好である。メリット1つ目はEtBでスピリット1体にターン終了まで呪禁を与える能力で、おもに呪文捕らえを守ることに使うことができる2つ目の能力のスピリットに瞬足を与える能力は聖トラフトの霊を安全に送り届けることができるうえに、クリーチャーがフルタップであれば鎖鳴らし込みで8点のダメージを与えることができる。実際に運用したことがないためコメントを付けづらいがクロックパーミッションという側面が強く出たデッキに仕上げたいなら試す価値があるといえる。

・渋面の溶岩使い

使用者は筆者ぐらいしか見たことがないが、軽さの裏腹にパワフルなクリーチャー。タップでショックを打つことができるという能力だが、火力の組み合わせで4点、5点と点数を伸ばせて小型生物から中型生物の相手を引き受けることができる。また、終盤においては溶岩使いが立っているだけで相手を追い詰められるうえに、稲妻や瞬唱の魔道士を持つことで射程範囲を格段に伸ばせる。具体的な話をすると相手のターンのエンドに瞬唱の魔道士を稲妻FBでプレイ稲妻3点を打つ、渋面の溶岩使いで2点、ターンまたいで自分の番に瞬唱で殴って2点、溶岩使いで2点、合計9点まで削れている。筆者は除去の射程範囲を伸ばすことと例に挙げたような削りの早さを重視して1枚採用している。


以上でクリーチャーの紹介を終わりとする。
次の章ではスペルについて書いていくが、筆者がつかれたため、別日に投稿することにした。

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