皆さんご無沙汰しています。みいです。前回の投稿を読んでくれた人たちはどうもありがとうございました。今回も懲りずに長文を書く予定、というか前回の分量からして相対的に長文にならざるを得ないのでまあ時間がある人はお付き合いください。
前回はフリースロットに入りうるクリーチャーについて紹介したので、次はスペル枠についてから話して、気力が尽きるまで書いていこうと思います。なお、徹夜でリアルヴィンテージキューブをやった後なので前回ほどのクオリティの担保、特に誤字脱字には自信がありません。ではでは始めましょうか。

5.自由枠、非クリーチャー

導入部分で記載した通りここでは非クリーチャー呪文について記述していく。

・追加の論理の結び目、呪文嵌め

追加の軽量カウンター枠。どちらも強力だが、役割が違うため採用基準は環境を見てしっかり考えること。論理の結び目は長期的に使えるうえに受け幅が広いため、多めに採用しても腐りにくい。呪文嵌めは2マナ限定なので尖っている分、1マナという軽さがテンポをとりやすく攻守の逆転をしやすい。特に虚空の盃など致命的なカードが2マナに何個か存在するので、後手でそれらをカウンターできるとかなりおいしい。おすすめの枚数は論理の結び目を合計3枚、呪文嵌めを1-2枚。論理の結び目を使う際に2ターン目青青探査1のためにフェッチの処理をすることを忘れずに。筆者はたまにうっかりする。

・差し戻し

論理の結び目が活躍するまでマナ漏出とともに前世代「トリコトラフト」を支えてきたカウンターである。通常のカウンターと違いハンドに戻すという特殊な処理をすることと、1ドローがついているという2つの特徴を持っている。
ハンドに戻す効果は、単純に考えると実質何もできないターンを作ることができる。例えば、後手2ターン目に出ようとした2マナクリーチャー相手に差し戻しを打つと、相手は3ターン目に構えられている呪文捕らえを考慮せざるを得なくなり、無理やり突っ込むが渋々引き下がるしかなくなる。ハンドに戻す効果が際立つシーンはカウンター合戦で自分の呪文に差し戻しを打つことで相手のカウンター呪文をスカしながら自分の呪文を手札に戻すことができる。例えば、自分が瞬唱の魔道士をプレイしようとした際に相手が謎めいた命令をプレイした。それに対応して瞬唱の魔道士に差し戻しを打つと、瞬唱の魔道士が手札に戻りワンドロー、相手は謎めいた命令を空打ちしたことになるためドローができない。
1ドローは手札に戻している分のアドバンテージ損失を補填してくれるとてもありがたい追加効果だ。特に「トリコトラフト」の場合カウンター+ドローは次のカウンターを探しながら6点削ることを意味するため攻めているときは特にありがたい。ここで忘れてはならないテクニックはフラッシュバック呪文に差し戻しを打つと手札に戻らず追放されて1ドローできる。つまり謎めいた命令と同等レベルのことができている。そのため青いコントロール同士のマッチアップでは瞬唱の魔道士を差し戻しせずにフラッシュバック先に打つことが多い。未練ある魂や、炎の中の過去にも有効なテクニックなので状況を見て狙おう。
そんな説明の長い差し戻しの採用検討枚数だが、1-2枚が妥当な線である。3枚目以降はカウンター過多になりやすく、墓地に行くカウンターも枚数がいる。取りすぎは控えた方がよさそうだが、デッキをよりクロックパーミッションよりのイメージで組み立てるなら取っていいカードだ。

・追加の謎めいた命令

強い、説明不要。基本選択肢であるカウンタードローは確実に差を広げていくし、バウンスは汎用性が高い。クリーチャーフルタップは劣勢時のターン稼ぎにもなる上に、最後の詰めでブロッカーを排除することができる。空中戦、アドバンテージ、盤面鑑賞力と便利なものが揃っていて有効に働くことが多い。青青青というシンボルの濃さが気になるかもしれないが、論理の結び目のために青青が出るため苦ではない。問題はマナコストであり、メインボードを見る限り4マナ域にスペースがあるように見えるが、サイドボードのピア・ナラーとキラン・ナラー、至高の評決、思考を築くもの、ジェイスなど込みで考えるとマナカーブが大変なことになる。コントロール的思考で「トリコトラフト」を組むなら謎めいた命令は3-4枚入れても全く問題ないだろう。しかし、親和を中心とした自分より速い相手と戦うときは謎めいた命令を減らす勇気を持った方がいい。そういったアグロデッキには軽く小回りの利くカードや盤面を即座に安定させるピア・ナラーとキラン・ナラーいれかえた方がいいことが多い。ミッドレンジ、コントロールとの対決では申し分ない力を発揮するだろう。それらの相手を見るなら3-4枚プランは心強い。

・アズカンタの探索

大好評発売中、イクサランの優良カード。その実力はレガシーの奇跡に入るほど。いったん出ると毎ターンのドローの質が格段と上がるうえに墓地が肥えるため瞬唱の魔道士の使いやすさも上がる。変身すると非クリーチャー呪文を山札からツモれる土地になり、消耗戦をした際に大変心強いカードとなる。このカードの注目するべき点は表面がエンチャント、裏面が土地とどちらも干渉がしにくいカードであることだと筆者は考えている。というのも削剥の話をしたときに少し触れたが、壊したいエンチャントが少ない環境である。そのためエンチャント除去を減らしているデッキも多いのだ。その隙をついてアズカンタの探索を着地させられたらアドバンテージはかなり取れるのではないかと思う。また裏面の土地状態も、メインボードで触れるデッキはほとんど限られている。サイド後の列柱対策に巻き添えを食らうことが難点だが、血染めの月ではなくピンポイント除去であれば、裏返るまでにアドバンテージを取ったアズガンタと列柱のどれかは生き残るだろう理論で別にいいのではないかと筆者は考える。破壊されたくなければ変身しないという手段をとってもいいだろう。
アズカンタの探索の採用枚数は1枚が限界かと思われる。なぜなら自分より速いデッキに対してあまりに無力だからである。「トリコトラフト」というデッキはまだマシな方ではあるが、盤面干渉力のないカードを大量に入れて勝てるほどモダンは甘くない。もちろん、ミッドレンジ、コントロールといった消耗戦を行うマッチでは非常にいい働きをする。サイドボードに追加の枠を設けるなどの手段がこのカードを多めに採用したい人にお勧めしたいアプローチである。

筆者が推したいカードは論理の結び目の3枚目である。やはり土地か探査コストがあればなんでも消せる丸さと使うカードを厚く取ることの安定感が好みである。コントロールを軸に考えるなら謎めいた命令、アズカンタの探索をを取るところだが、筆者はどちらかといえば殴る寄りの考えでピア・ナラーとキラン・ナラーをほとんどのサイドプランで入れるため、優先度が落ちて下の方に書いている。

6.土地について

 筆者は土地基盤に関しては詳しくないし、計算が苦手である。そのためこの項は簡単なことだけ触れさせていただく。マナ基盤に詳しいプレイヤーは筆者に助言をしてくれるとありがたい。
 
 筆者がまず思っていることは
「謎めいた命令(青青青無)と至高の評決(白白青無)と神々の憤怒(赤赤無)を同時に打つマナ基盤は無理ではないか?」
ということである。もちろん完全に無理というわけではないというのは理解しているが、負担がかなりかかることを理解してほしい。しかし、これらのカードはいつ唱えてもいいようなものではなく、比較的緊急性の高いことが多い呪文である。親和相手に(白白青無)が出なくてそのまま引き殺されましたなんてみんなしたくないだろう。そのため、筆者が行っている手法は「青を中心にして、2色目をしっかり出すように調整して3色目のマナシンボルの濃いカードを取らない」という考えである。

 筆者がこの考えに気づいたきっかけは、以前(GP神戸2017)「ジャンド」を触っていたときの経験である。「ジャンド」は黒緑赤のグッドスタッフデッキだ。グッドスタッフという言葉を盾に欲望のままに改造をしていたが、このデッキのムーブとして正しいのはやはり3ターン目に出すヴェールのリリアナ(黒黒無)である。しかし、サイドボード後はアグロデッキに対する台所の嫌がらせ屋(緑緑無)を出したり、クリーチャーが並ぶデッキに神々の憤怒(赤赤無)を取ったりする無茶苦茶ぶりである。もちろん、台所の嫌がらせ屋を出すマッチは(黒黒緑緑赤)が出るように、神々の憤怒を入れるマッチは(赤赤黒黒緑)[たまに(赤赤緑緑黒)]を出すようになど調整はするのだが、結局のところフェッチランド以外はドローの運命に抗えないわけで、デッキ構築の時点で調整しないといけないわけである。「ジャンド」の場合はだいたいどうしても(黒黒緑赤+何か)に帰結するのだ。
 話を「トリコトラフト」に戻すと、トリコトラフトの【骨】であるパーツには大変なパーツが2種類も入っている。それが論理の結び目(青青)と謎めいた命令(青青青無)。おそらく察していると思うが2ターン目からダブルシンボルを要求するのはなかなかハードルが高い。そのうえトリプルシンボルのカードも入っているし、これでは青い土地を相当取らないと回りそうにない。さらに色の違うダブルシンボルのカードを入れる
なんて筆者は回せる気がしない。運よくフェッチを手に入れても聖なる鋳造所を持ってくるのは論理の結び目と謎めいた命令を抱える「トリコトラフト」にとってはできるだけ持ってきたくないランドであり、3ターン目に我慢して持ってきてトップが山か平地を積もって謎めいた命令が打てないなんて事態になったら悲しい気持ちになる。

 というわけで筆者は3ターンに(青青赤赤白(採用によっては白)、且つ4ターン目に(青青青赤赤白白)を出すことをあきらめた。というわけで今回は青赤+白と青白+赤の2つの軸について話していこうと思う。

・青赤+白について
 筆者は現在このタイプを使っている。おそらくこの書き方を見て違和感を覚える人は多いと思う。なぜならリストを見てわかる通り確定枠に入っている赤のカードが火力しかないからである。ではなぜ青赤にするのか。それは火力瞬唱火力というアクションを安定させることと、サイドボードの強さにあると思う。火力瞬唱火力の強さは言うまでもない。サイドボードの強さは神々の憤怒とピア・ナラーとキラン・ナラーにあると筆者は考える。
 神々の憤怒のメインターゲットは「人間」「部族全般」「親和」「ストーム(トークンを流すため)」「アブザンカンパニー」「デスタク(エルタク)」「白黒トークン」「ドレッジ」など。1マナ速い全体除去は偉いし、追放効果もかなり大きいおまけ。サブターゲットだが、後手なら同型で1枚だけ取るなど筆者はしている。本当に問題は(赤赤無)であり、正直青白軸でこれを使う勇気はない。
 ピア・ナラーとキラン・ナラーはアグロデッキ、ミッドレンジ、コントロールにサイドインする。つまりだいたいサイドインである。アグロデッキに対しては1/1飛行トークン2体がブロッカーとしても使えるし、除去として使うのも強烈に強い。ミッドレンジ以降のデッキには除去をピア・ナラーとキラン・ナラー本体に打っても、1/1飛行トークン2体が残って数の暴力で勝ちということがよくある。1/1飛行トークンを火力に使ってプレインズウォーカーへ置換することで相手のアドバンテージを奪うこともできるので、消耗戦になりやすいサイド後は頼りになる。そして同型戦をしたときにこのカードの存在もあるゆえに神々の憤怒をサイドインの検討がされると筆者は考えている。

ほかにも渋面の溶岩使いが採用できるなどのメリットがあるが、それは筆者だけでよい。
このバランスでデッキを組むならテンポを重視したいため天界の列柱は3枚にして、代わりに尖塔断の運河などのアンタップインランドを1枚足すのが個人的に好みだ。


・青白+赤について
 この色の比重の明確なメリットは至高の評決とギデオン、ルーンの光輪である。クリーチャーの色基盤が安定していることは基本である(青無)、(青白無)が簡単に出るためそこまで重要ではない。
 至高の評決の確定全体除去の安心感は高い。神々の憤怒で倒せない寄りのデッキである「呪禁オーラ」「アブザン」「エルドラージ」などに対する打開策となる。打ち消されない能力はミラー、「グリクシスシャドウ」などに対して有効なことがある。問題はマナコストが4なことで、もう死んでるなんてこともある。
 ギデオンは4マナのゼンディガーの同盟者、ギデオンを指す。ギデオンの能力は2/2トークン生成、5/5のクリーチャー化、おまけにエンブレムで1/1修正とどれも優秀な能力をもっている。連歴の騎士、エルズペスと違って飛行付与のようなサポートができないが、2/2の単体性能と5/5破壊不能の脅威は単体性能が抜き出ている。基本的には全体除去などを組み合わせて降臨、そのままトークンまみれにするなり、自分で殴りに行ってライフレースを破壊することになる。個人的に神ジェイス、ヴェリアナ、の次の枠をチャンドラと争っている3番手なので、ぜひとも採用したいのだが、マナベースとサイドボードの枠にお気を付けて。
 ルーンの光輪は指定先次第ではゲームが楽になるどころがほぼ勝ちになることもあるカードである。具体的に言うと「ストーム」戦でぶどう弾を指定してしまえばあとは
巣穴からの総出のケアをすれば完封である。バウンスの問題があるのでケアはしないといけないが、悪い条件ではない。例ほどではないが、「ヴァラクート」戦などでも同様の働きをする。しかし、その場合は原始のタイタンを捌くという割と大きな問題が待っている。

おまけとして白白というシンボルは試練に臨むギデオンを採用することも検討できる追加の変則的なアタッカー、トラフトのサポート、死なない能力をうまく使えば局所でいい仕事をする。メインでもサイドでも一応候補にしてもよい。


 ここまで青赤と青白のどちらに寄せようと話してきたが、結論を出すとするならば好みに合わせてよいと思う。筆者は火力とサイドボードの範囲からして赤青よりの考えだ。



ここまで書いてまた疲れてきたため、次回以降はサイドボードについてを触れていきたい。

コメント

お気に入り日記の更新

最新のコメント

この日記について

日記内を検索